報道の優劣
11/16JR函館線で貨物列車の脱線事故が起こりました。
事故解消の目途は立ったようですが、代行バスの手配に苦慮するなどとのニュースが報じられています。
しかしながら人的被害が殆どなかったためか、あまり大きな報道はされていません。
北海道は北見市、玉ねぎの生産量日本一を誇っています。
じゃがいもの生産も盛んで、かなりの量が作られています。
ただそれらは運ばなければ全国には行き渡りません。
車両で運ぶには人員と車両が数多く必要で、空輸では僅かな量しか運べません。
船舶では時間効率が非常に悪く、そこで有用なのが鉄道運搬です。
運転手は最小限で途中停車も少なく、かつかなりの量を運搬できる、輸送手段としてはもってこいです。
しかしこの鉄道運輸、JR北海道の財政難を受けて危機的状況にあります。
生産量日本一の玉ねぎを運ぶための北見へ繋がるルートに、廃線の検討さえ出ていると言うのです。
運搬効率は良くとも、採算が合わない。
見返りが伴っていない状況にあるのです。
これまで鉄道は人貨輸送を前提として収益を上げてきました。
ところが一家に一台、一人に一台と車が普及し、人の輸送が、特に地方では激減していきます。
貨物の輸送料は存じ上げませんが、安く食材を買える状況がある事を考えるにあまり実りの良い価格では無いのでしょう。
線路も一度敷いてしまえばほったらかし、とはいきません。
一度の事故が大きな影響を及ぼしますからメンテナンスは重要です。
人の住まない様な場所も通れば、夏は真夏日、冬は-20℃越えの様な地域もあり、出費を抑える事も容易ではありません。
今回の事故の要因がどこにあるのかは分かりませんが、現在のJR北海道の状況を鑑みるに、財政難の影響が無いとは言えないと思います。
輸送方法が変わればその費用は間違いなく消費者や生産者に転嫁されます。
効率化を図る事は大切ですが、それが首を絞めては本末転倒。
表面だけ取り繕って解決、ではなく一人一人が考えを深める報道をぜひ展開して貰いたいと思います。