感情的に離婚してはいけない理由
離婚には論理的な思考が必要です。感情的になって良いことはありません。
なぜなら離婚の際には感情ではどうにも出来ない手続きがあるからです。
婚姻にあたり、戸籍を変更、住民票を変更などの公的手続きが発生しますが、婚姻時の高揚感、将来への希望といった陽の感情を伴って行っている方が大多数でしょうから苦労も厭わずされているでしょう。
もちろん離婚時にも公的書類の変更手続きが必要です。
負の感情を持ちながら行う事はストレスが掛かる事でしょう。それでも生活に支障が出ますから手続きを行わない訳にはいきません。
また相手の不貞行為や暴力行為に端を発する場合、手順を踏む、証拠を残すといった行動を積み重ねておかないと、それを立証できないがために意図せず理不尽に相手に有利に話が進んでしまう事がありえます。
慰謝料が取れないどころか支払う事に、どんなに主張しても親権が認められないといった事がありえてしまいます。
また婚姻する事で発生する権利があるのですが、婚姻時には誰も教えてくれません。
離婚時に専門家に相談するなどして初めて知る、と言う事もあり得るのが財産分与の権利です。
婚姻中に築かれた財産は、夫婦共有の財産とみなされ1/2づつ分け合う必要があるのです。
厳密には全てではありませんが、夫婦間の収入に違いがあっても関係ありません。
この時に特に厄介なのが住宅です。
1/2と言っても物理的に分ける事は出来ません。
ではどうするのかと言えば、最も分かりやすいのはお金に換算して分配する事です。
2,000万円の価値があるとすれば、住宅を使い続ける側が相手に1/2の1,000万円を分与する事で折り合いをつけます。
と、数字だけで考えれば合理的ですが、実際にこれだけの大金を支払える人は多くは無いでしょう。
互いに次の居住先が決まっており、住宅ローンが完済できる状況であれば売却を検討する事も出来るでしょう。
そうで無い場合、どちらがどのように住宅を扱うのか話し合いをしなければなりません。
ローン名義の夫が出ていき、妻が住み続けると言う方法で決着がついても、住宅ローンが残っている限り、夫の返済に滞納が発生した場合、他人となった人の問題で家が売られ出ていかなければならない可能性があるなど、不安定な状況は続いていきます。
任意売却においても、離婚に起因するケースは関係者への連絡、説明、合意などの点で難度が高いのです。
ぜひとも人間関係は円満にお過ごし頂きたいと思います。